[2013年4月改組]
2013年4月、統合生命医科学研究センターへ発展し、新たな研究展開を推進します。 > 統合生命医科学研究センター
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Activity

免疫イメージング技術の開発

免疫のイメージングって、何を見るの?

免疫は、体の中に入った病原体をやっつけるため、体中どこでも働かなければなりません。そのため、 たくさんの免疫細胞が、体中をくまなくめぐっています。


免疫の細胞には、リンパ球、マクロファージ、樹状細胞などいろいろな仲間がいて、役割を分担し、 協力しながら働いています。それはあたかも、免疫という社会システムのようです。

RCAIは、こうした免疫システムを作るいろいろな細胞の免疫反応における動き 「免疫のダイナミクス」を目で見て(イメージング)知り、疾患を制御することをめざしています。
大きく分けて二種類のイメージングの研究に取り組んでいます。
一つは、免疫の細胞内分子イメージングです。免疫の信号が、生きた細胞のなかで、 いつ、どこで、どんな分子によって、どのように伝わって反応を起こしていくかをみるものです。
もう一つは、免疫の生体内細胞イメージングです。生きた体のなかで、いつ、どこで、 どんな免疫細胞が、どのように動いて、相互にコミュニケーションして身体を守る働きをしているか、を調べます。



細胞内1分子イメージングって、どうやって見るの?

生きた細胞の中で、一つ一つの分子の動きを見るために、RCAIの徳永ユニットリーダーが考えだしたのが、 薄層斜光照明 (HILO) という光のあて方です。この方法を使って、世界で初めて、生きた細胞の中のどんな場所でも 1分子を見ることができる顕微鏡が生まれました(下の写真)。


理研ニュース: 細胞内1分子イメージングの拓く新しい世界

3次元の立体的な観察とともに、時間的な変化、他の分子との相互作用なども見ることができます。例えば、下のムービーは、細胞の遺伝情報を保存したり伝達したりする「核」という細胞内の器官(大きさ10ミクロン程度)を撮影したものです。核を覆う膜には、沢山の穴(核膜孔:光って見えている)があるのが見えます。この穴を通して分子が行き来する様子が初めて解明されました。 この顕微鏡を免疫の研究に役立てながら、さらなる改良を重ねています。

プレスレリース: 生きた細胞で生体分子1個を観る新しい顕微鏡法を実現
関連研究室:分子システム研究ユニット  1分子イメージング研究ユニット



細胞内分子イメージングで何がわかるの?

1分子イメージングの顕微鏡を使って、免疫反応を観察することで、「目を疑うような」おもしろい発見がうまれています。
例えば、免疫反応の開始(Tリンパ球が抗原を見ることによってはじまります)を観察したところ、それまで考えられていたよりも、 ずっと早い時点で免疫の信号が伝えられて反応が始まること、また、免疫反応の開始の信号は、分子が集まって「ミクロクラスター」と よばれる場所をつくることで、始まることがわかりました。

プレスレリース: 免疫応答のスタートポイントを発見
プロジェクト紹介ムービー:



生体内1細胞イメージングって、どうやって見るの?

「多光子励起レーザー蛍光顕微鏡」という特殊な顕微鏡を使います。この顕微鏡は長い波長(のレーザー光を使うため、 組織の深いところまで光が届き、組織内での細胞の動きを観察できます。つまり、生きたまま、リンパ節、皮膚、 腫瘍の病巣など様々な場所で免疫細胞の振る舞いを観察できるのです。
見たい種類の細胞は、あらかじめ、それぞれ異なる蛍光色素で色分けしておきます。観察した平面の画像を組み合わせて、 3次元の立体画像をつくることによって組織の中での実際の動きを観察できます。
例えば、下のムービーは、リンパ節の中のがん細胞(緑色)のまわりに免疫細胞(ピンク色)が集まっている様子です (青色は組織の表面のコラーゲン)。
Movie

大きさ:300×120ミクロン。約300倍速。

新しいレーザー技術や細胞を標識する技術を取り入れ、多種類の細胞の動きが同時に見えるようになってきています。

関連研究室: 免疫細胞動態研究ユニット