iPS細胞から免疫細胞をつくる!
iPS細胞とは?
iPS細胞は、どんな細胞にでも分化できる「万能細胞」です。自分の皮膚からiPS細胞をつくって、
それを使って自分の体の傷んだところを修復する・・・近い将来、そんな夢のような再生医療が、可能になることでしょう。
まず、リンパ球からiPS細胞をつくる・・・なぜ?
理研RCAIでは、癌などを治すためのリンパ球を、iPS 細胞を使ってつくろうとしています。でも、リンパ球をiPS細胞からつくるときは、
他の組織の細胞をつくるときと、ちょっと事情が違います。まず、もととなるiPS細胞を、リンパ球からつくるのです。
どうしてでしょうか?
これまでの技術
従来のやり方では、皮ふなどからつくったiPS細胞を使っていました。このiPS細胞からリンパ球をつくると、
色々な抗原に反応するリンパ球が多数できてしまいます(下図)。それは、
リンパ球は分化の途中で遺伝子を組み換えてしまうからです。そのため、役に立つリンパ球だけを大量に
つくりだすことは難しかったのです。
私たちが開発中の新しい技術
この問題を解決するために、理研RCAIでは、成熟したリンパ球からiPS細胞をつくりました。
こうしてつくったiPS細胞は、リンパ球から受け継いだ、すでに組み換わった遺伝子を持っています。
そういうiPS細胞からリンパ球をつくると、すべてに組み換わった遺伝子が伝わるので、できてくるリンパ球全部が役に立つのです!
リンパ球からiPS細胞をつくり、さらにリンパ球へ分化させることに成功
私たちは、マウスを用いて、リンパ球の一種であるNKT細胞からiPS細胞をつくることに成功しました(下図)。
このiPS細胞を分化させると、全てがNKT細胞になりました。ヒトのNKT細胞を用いた研究も進行中です。

また、他のタイプのリンパ球、例えばB細胞やキラーT細胞からiPS細胞をつくる研究も行なっています。
こうしてリンパ球をつくることで、がんの治療や免疫力を高める治療に活かしていきたいと考えています。
理研RCAI/CRESTプロジェクト
古関明彦、
河本 宏、
石川文彦、 渡会浩志